『ジャズボーカルそしてR&Bの可能性を押し広げるミュージック』
AllAboutJazz.com (C. Michael Bailey)
ベアタ・パテルのボーカルは、シェイプ、テクスチャー、そしてこれら二つを伝えるニュアンスから成されている。ベアタがこれまでにリリースしたBlack (2006)、Blue (2011)、Red (2013)の三部作は、創作の可能性を限界一杯まで押し広げ、非常に好評を博している。ベアタは、自らエラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、シャーリー・ホーンらの影響を受けていると言うが、最新アルバム『Golden Lady』にはベティ・カーターのスピリットが溢れており、ベアタの冒険的な声を強力にサポートしている。ベアタの歌唱法は綱渡り的な方法である。ベアタは絶えず彼女の表現方法で芸術的な賭けに出て、常に成功と斬新的な進歩を収めている。詩人マヤ・アンジェロウの“Turned to Blue”では、スラー、スウェイ、グリッサンドのすべての歌唱法が、青木弘武の卓越したピアノプレイと共にハーモニーの中に見られる。青木の控え目なアプローチは、ベアタのボーカルのアプローチが“I Live to Love You (オスカー・カストロ・ネヴィス)”では繊細かつ映画的で、“This is All I Ask (ゴードン・ジェンキンス)”ではクリーミーでとろみがあるのと同様に、同じ高度な次元に基づいている。
青木の演奏技術は、非常にシンプルかつリズミカルな曲構成を、歌のドラマティックな内容につなげている。確かに、Golden Ladyは素晴らしいボーカル作品であり、自然な進化としてここにある。
http://www.allaboutjazz.com/php/article.php?id=46455#.UvrNrv06VAM
JazzWeekly.com (George W. Harris)
もし、ダイアナ・クラールというよりはベティ・カーターのような歌を聴きたいのであれば、ベアタ・パテル以外探さなくてよいだろう。このベアタの最新作には、青木弘武(ピアノ)とブーツァ・ネチャック(ベース)が参加しており、この二人が絶え間ないリズムもしくは印象的な背景を創作する大きな役割を果たしている。突き刺すようなコードが“Wild is the Wind”の基盤となっている一方で、“The Day It Rained”は薄くて脆い生地だけで固められているかのようだ。また、ベアタは歌詞をまるでゴムバンドのように引き伸ばす手法を取り入れており、これは“Turned to Blue”と“If You Went Away”で聴くことができる。極めて感情的ではあるが大袈裟ではない-最近では稀なタイプだ。
http://www.jazzweekly.com/2014/03/beata-pater-goldenlady/
『Golden Lady gets 4/4』
O's Jazz Magazine issue 20/2 (D. Oscar Groomes)
もし、このソウルフルなボーカルトーンの持ち主を知らずにこのCDを聴いたら、この声がポーランド出身のベアタ・パテルのものだとは決して思わないだろう。しかし、彼女の作品を知っている人達は、座って、微笑んで、そして彼女の歌を楽しんでいる。ベアタは、ボサノバ、ボーカリーズ、トラディショナルジャズを歌ってきており、どのジャンルも見事に歌い上げてきている。ベアタは10年間日本に住んだ経験を有し、最近、青木弘武(ピアノ)およびブーツァ・ネチャック(ベース)とトリオを結成している。このトリオのサウンドは柔らかく、“A Little Tear”で強調されているイレブンポップチューンへと誘ってくれる。ベアタは、ダイナミックかつ魅力的なボイスで注目に値する活動をしている。
『五つ星★★★★★』
JazzMostly.com (Bruce Crowther)
ベアタ・パテルの最近の3作のアルバムBlack、Blue、Redとは違い、今作Golden Ladyでは、ベアタはピアノとベースだけの最小限の伴奏で歌っており、その結果は、申し分のない多様な選曲の繊細で想像に富む再構成となった。過去の3作においては、1990年代初頭から制作されてきた他作品と同様に、ベアタは音楽の総合的な能力を披露してきた。ワルシャワミュージックアカデミーでバイオリニストとして訓練を受けた後、生まれたポーランドだけでなく日本においても、セッション歌手、クラブ歌手、さらには彼女自身のグループでの歌手活動を経て、アメリカへやって来ている。今作において、よく知られた曲ではあるが決して大袈裟に再構築されてはいないのが、”Wild Is The Wind”、“Save Your Love For Me”、”Golden Lady”、“This Is All I Ask”、“Someone To Light Up My Life”である。また、歌手の思慮深い解釈に適合した知名度の低い曲もあり、これにはマヤ・アンジェロウの“Turned To Blue”とオスカー・カストロ・ネヴィスの“I Live To Love You”が含まれる。ベアタは、これらの曲を、柔らかく、優しく、説得力のあるボイスで、親近感がありつつも無視するかのように歌い上げ、柔軟性と継続性のあるボーカルサウンドは、歌詞が意図するところの機微と作曲家の旋律の魅力を顕在化させる。今作におけるベアタの伴奏は、青木弘武(ピアノ)とブーツァ・ネチャック(ベース)で、二人とも計り知れないほどの楽しさを今作の曲に加えている。
http://jazzmostly.com/2014/02
『ベアタ・パテルは、ニーナ・シモンの大きなサイドカーでクールダウンすることで、西海岸の家のメル・トーメ側からアプローチする』
AccousticMusic.com (Mark Tucker)
私は、ベアタ・パテルの最新作Golden Ladyに関して、1曲目の“Wild is the Wind”がすぐに私の関心を引き付けているということに気付く必要があるにすぎなかった。デビッド・ボウイがこの哀歌をカバーした時、このような素晴らしいバージョンに私はほとんど冷静さを失っていた。しかし、The Thin White Duke (デビッド・ボウイ)が大袈裟にやったところを、ベアタは、ニーナ・シモンの大きなサイドカーでクールダウンすることで、西海岸の家のメル・トーメ側からアプローチし、1964年の素晴らしいバージョンを切り出している。ベアタの前作Redとは対照的に、本作Golden Ladyは、ボーカル、ピアノ、ベースだけのトリオ、もしくはボーカルとピアノだけの構成となっている。(中略)
アルバム全体を通して、青木弘武のピアノは甘美な響きで美しく、ベアタの歌を少しだけ補完し、見事なコントラストを作り出している。
http://www.acousticmusic.com/fame/p09435.htm
『すごく熱い』
MidwestRecord.com (Chris Spector - Editor & Publisher)
ビッグバンドを捨てて、ピアノとベースのみの構成にすることにより、ベアタ・パテルはチャカ・カーンが東ヨーロッパと出会う場所を見つけ出している。
(中略)
とにかく熱い作品だ。
http://midwestrecord.com/MWR762.html
『★★★★★(星5個で満点) - 異なる陰、異なる色 - 人間の声の可能性を拡張』
Amazon staff jazz review (Grady Harp)
ベアタ・パテルは、最新アルバムGolden Ladyでもう一つの大きな目標へと舵を切った。もはやビッグサウンドの必要を感じず、長きに渡る共同制作者である青木弘武(ピアノ)とブーツァ・ネチャック(ベース)と共に、感情的な激しさと潤沢な叙情で満たされた、心を奪う宝物のようなアルバムを制作することを目指したのだ。
(中略)
ベアタは、個性際立つアーティストだ。Golden Ladyでの彼女のボイスは、ミュージシャンをより高いレベルへと導くことに挑戦するリード楽器となっている。
http://www.amazon.com/Golden-Lady-Beata-Pater/product-reviews/B00FL038EY